そして助産師さんの両手にしっかり
支えられ、再び宙を浮かんで飛んで
行く先は…妻の隣。


首を横に傾け娘を見つめる妻の表情
が和らいで、微笑になり…娘の頬を
指の背でやさしく撫でている。

感動。

よかった、不安だったね、でもよか
ったね。こんなに可愛いよ、無事に
生まれてきてくれたよ。

180205a
去年の12月、妊娠30週のある日。
それまで通ってた産院の妊婦検診時、
エコー中に不思議な質問をされた時。

早急に診て貰って下さいと告げられ、
大病院宛ての紹介状を渡された時。

紹介状を携え受診に行き、その結果、
あらためて精密検査を勧められた時。

そして、それを受けるには最短でも
19日後しか日が無いと知らされた時。

ただ待つしかなかった年末、年明け。
色んな事を考え、調べ、不安な日々。

精密検査の数日前には「さーちゃん
日和」という記事を書いていました。

検査してもらったら色々わかるから、
と言い聞かせ19日間が過ぎ…


色々な場面で、祈るような思いをし
てきました。どうか…どうか…と。

精密検査は「念のため」で、結果は
「問題ない」はず…でも違いました。

検査は、思えば、これを書いている
今日からちょうど一月前の事でした。
精密検査後に、先天的疾患専門だと
いう先生の所見を聞く私達。祈り。

「骨の病気で、軟骨無形成症。私達
 は、ほぼ、そうだと思っています」



『骨系統疾患、軟骨無形成症疑い』



それを知ってからも、エコー検査の
度に「大腿骨の長さ」にとらわれ…
前回よりも伸びていてほしい。骨が
伸びないなんて…。先生、大腿骨の
長さは……?そうですか…。

やがて、先生が言わずとも、エコー
画面を見てFL(大腿骨長)がいくらな
のか表示を自分で見つけわかるよう
になり。毎回、祈るような気持ちで
凝視していた数値は、変化を見せま
せんでした。

そして、祈りの通じない現実を少し
ずつ受け入れていき…けれど、祈り
って何だ?大腿骨の数値か?本当の
願いは、母子ともに無事に生まれて
きてほしいという事だけだろう。

私達はその病院で出産を迎える事を
決めました。頭が大きいため、誘発
分娩前提の方針のもと、早い段階で
入院、そして…。本当に頑張ったね。



でも生まれた時は、そんな今迄の色
々を振り返ったり考えたりする余裕
は全くなく、生まれた!という純粋
な感動。

でも、妻と娘が並んだ、その優しい
場面を見た時には…うーんと、表現
するのが難しいのですが、

今までの全てがこまかい塵となって
心の奥底に重たく沈殿していた中に、
その妻と娘の姿が「ずうん」と飛び
込んできて、色んなものが舞い上が
る舞い上がる、みたいな(わ…わか
りにくいですね…)でもとにかく、
「よかった」と…。そういう思いに
包まれる感動でした。

こんなに可愛い、と私が言うまでも
なく、妻の愛おしむ目が娘を見てる、
それが全て、そこにあったのは希望
そのものでした。

何も疑わず生まれてきた無垢な命と、
その生を産む為にまさしく「生きて」
いた懸命な妻の命を、私は同じ時に
感じたのです。幸せでした。